あなたが何より一番

 伏黒恵はベッドに転がしたいつくもの道具を眺めながら悩んでいた。今夜はどれを使うべきか。付き合いの長いエネマグラ、使い込んだ電マ、黒々とした極太のディルド、奥まで届くアナルパール、はたまた最近購入したローターか。
 今日も宿儺はかっこよかった。恵でも見上げる身長、逞しく健康的な肉体、低く甘く響く声。思い出すだけで下腹がキュンと切なくなる。早く目の前のどれかを入れながら今日のやりとりをおかずに気持ちよくなりたい。
 大学で出会った両面宿儺は同い年とは思えないほど頭脳明晰であり、博識多才で、すぐに恵は彼に引き込まれた。気難しく社交的とは到底言えない宿儺もまた、どういうわけだか恵を友人として認めてくれ、二人の親交はすぐに深まった。
 そのうち、恵は宿儺に並々ならぬ思いを抱いている自分に気付いた。講義で女が隣に座ろうとするのを嫌だと感じ、自分以外の交流があることに何とも言えない気持ちになり、自分を最優先してくれることに無上の喜びを感じて、一体どうしたのかと悩んでいたが、なんてことはない、初めて恋情を覚えたというだけだった。
 自覚した後、恵はすぐさまあれこれ調べ、男同士の関係について知識を得た。もしも、万が一、宿儺が恵の気持ちに応えたとしたら、何が起こりうるのか。準備という言い訳で都合の良い妄想を膨らませるために調べているのではないかと我に返りそうなときもあったが、調べ出てくる情報などの強烈さに全てが吹っ飛んだ。
 男同士は肛門を使って性行為をすることが多いと知り、悩んだ挙げ句にゲイのアダルトビデオを見て、どのように行うべきかを学びながら、画面に映る二人に宿儺と自分を投影することで、性的行為に没頭するようになった。
 例えば、あの熱くて大きな手が服の下を這うことを想像するだけで興奮した。その長大であろう陰茎が恵の腹を穿ったら、アダルトビデオの中の人物のように気持ちよくて射精してしまうのだろうか。
 ある日、恵は決意してオンラインショップでアダルトグッズを購入した。アナルオナニーをするなら初心者はエネマグラがいいと書いてあった言葉を信じた。
 体を丸めて前立腺を刺激するための医療器具を入れた瞬間は正気に戻りそうだったが、体が震えるほどの刺激を受けてからは堪らなくなった。
 元々そんなに頻繁にしていたわけではなかったのに、宿儺を好きになってからは自慰の頻度が増え、ビデオを見るたびに妄想が膨れ上がったところに、「宿儺に抱かれたらこのくらい気持ちよくなるだろう」という体験をしてしまった結果、恵はアナルオナニーに夢中になった。
 いつか宿儺に抱かれる日が来るかもしれない、そのための準備だと何度も言い訳して、ネットのレビューを吟味しながら道具を増やしていった。
 刺激を自らの尻穴に与えながら、宿儺に抱かれる日を夢見る。ズボズボとディルドを抜き差ししながら、宿儺のあの逞しい腰ならもっと早く動くかも、とか、長めのアナルパールを入れて意識が飛びそうになりながら、見たこともないが宿儺のものならもっと奥まで届くかもしれないと胸が締め付けられたりとか、人には決して言えない夜を何度も繰り返した。
 滅多に飲まない酒が入った時は本当に酷くて、泣きじゃくりながら自分で与えた刺激で潮を吹き、シーツを汚しまくった。酒で記憶が飛ばない質なのが本当に悔しいほど、理性をなくして宿儺の名前を何度も呼びながら、ローターを突っ込んでさらに床に貼り付けたディルドの上で腰を振り、雁首を電マで刺激するという馬鹿なことをした。目が覚めたときの虚しさと言ったら。
 それでもアナルで慰めることをやめられない。日に日に宿儺への気持ちが強くなり、比例して自慰行為へ耽る時間も長くなる。行為に耽ってる最中の宿儺との淫らな妄想はとても幸せで堪らず、行為の刺激の強さと幸福感によって歯止めが効かなくなった。一人暮らしでなければ自重できたのに、と言い訳しそうになる。
 ある日、宿儺が恵の家に泊まることになった。外で飲んでいたら終電を逃したので、歩いて帰れる恵の家で一晩明かすことにしたのだ。
 ただの偶然ではあったが、想い人が自分のテリトリーに入る。これほど緊張することはない。買った道具はきちんと片付けてあるし、変な匂いもしないはずだ。互いにパーソナルスペースが広いので、気軽に家へいこうということがなかったから、仲が良くてもこれが初めての訪問だった。恵も宿儺の家を訪ねたことはない。
 途中のコンビニで追加の酒とつまみを買い、恵の家に上げたあとから、あまり記憶がない。
 気付いたら恵はベッドの上でぬこぬことディルドを抜き差ししていた。宿儺はリビングで寝るといったので、寝室には恵一人だ。静かにやればバレないと思い切ってしまって、宿儺が家にいるという興奮とアルコールが恵を自慰に導いた。
 焦れったくなるほどゆっくりと動かすのは久しぶりだ。だって激しくすれば宿儺にバレてしまう。それはまだだめだ。いずれ告白するにしても、今はまだだめ。その勇気がない。万が一、宿儺が告白を気持ち悪がったらどうする? 次の日からギクシャクしてしまったら? ただの友達という関係を壊したくないという怯懦がいつも胸を締め付ける。
 だからバレてはいけない。でも、こんな状況で興奮しないわけがない。今すぐ宿儺にこのヒクヒクと浅ましく求める穴に立派なペニスを入れてもらいたい。こんな玩具じゃなくて、宿儺の熱を感じたい。
 宿儺への思いが高ぶるたびにぴゅるっと精液を出すが、手が全く止まらない。シーツには精液の水たまりができているのに、全く満足できない。だって、扉の向こうには宿儺がいるのだ。本物に抱かれたい。
「すくな……っ!」
 一度小さな声で名前を呼んでしまったら止まらなかった。何度も宿儺の名前を呼びながら、ぐりっと奥を抉る。気持ちよさが増して死にそうだった。意識が飛んで、このまま寝てしまうかも、と頭の何処かで残っている冷静さがやばいと思ったら、いきなりディルドが抜かれて、代わりに別のものがアナルの縁に触れた。暖かく、柔らかいものだ。プラスチックやゴム製ではない、まるで本物のような――?
 それはずどん! といきなり入ってきた。ローションまみれでぐちゃぐちゃな腸はすぐにその大きなものを受け入れて喜び始めた。何が起きてるのか分からないが、腰を固定されて身動きができない。これもオナニーのし過ぎと酒の力による妄想なのか? 分からないけど今までのおもちゃでの自慰行為が可愛く思えるほど気持ちよくて、恵は動かれるたびにヒンヒン言いながら宿儺の名前を呼んで絶頂に何度も達した。名前を呼べば呼ぶほど動きが激しくなる。ぱんぱんと響く音と、抗えない程にがっちりと掴んで来る手がリアルで不思議だった。痛いくらいに腰を掴んでくる妄想を何度しただろう。玉が当たるくらいまで入れられたと思ったら、ギリギリまで抜かれることも妄想した。再び奥にやってくる雁首に気持ちよくなる。
「すくな…すうな…、しゅき…!」
 思わず言葉が出た瞬間、ガツン! という衝撃とともに腹に生暖かいものがぶち撒かれた。流石におかしいと我に返る。世の中には射精体験できる変なディルドもあるが、恵はそんなもの持っていない。
 身を捩れば、目の前に宿儺がいた。息を乱し、汗で崩れた前髪が額に張り付いている。驚いていたらキスをされて、上げていた腰を落とされ、うつ伏せになるよう転がされた。理解が追いつかないのに、尻穴にはまだデカいものが埋まっていて、冷静になれない。気持ちよさと混乱でボーッとする頭を更に働かなくさせたのは、宿儺の一言だった。
「好きだ」
 都合の良い妄想ばかりしてついに幻覚や幻聴まで見るようになったのかと焦ったが、恵の知らないやり方で宿儺が何度もキスをして、入れたままだったペニスを膨張させていたから、少なくともこれは妄想ではないと確信した。じゃあ現実? 第三の選択肢はないはずだ。宿儺も恵のことが好き?
 一度ペニスを抜かれて、仰向けにさせられる。膝を掴まれて、秘部を曝け出すように脚を広げられながら、何度もキスを繰り返す。気持ちよさがずっと続いている所為か、幸せすぎて泣き出してしまった。
 涙を舐め取りながら、宿儺はペニスの先端を恵のアナルにあてがった。途端に期待で胸が一杯になって、宿儺を見つめた。宿儺はにやりと笑って、じわじわゆっくりとペニスを恵の体に埋めていく。
「あ、おっ!♡ …おっ!♡ きもちい…♡ あぅ! あ゛!――そこ♡ そこやべぇ゛♡」
 前立腺を通り過ぎた瞬間、恵は仰け反って絶頂に達して全身を震わせた。もう恵のペニスからは何も出ない。快楽で暴れる体を抑え込まれて、更に侵入される感覚は妄想の範囲を超えていた。
「あ゛〜♡ や、――お゛っ!♡」
 ごぽぉっ♡ という音が腹から響いた時、恵はふわふわとした不思議な感覚に陥った。世界のすべてが遠い。ただただ、胸を中心に広がる鼓動と、全身に響き渡る多幸感だけを感じている。なんだこれ。戻れない。分からないけど、この感覚を知らなかった頃にはもう戻れないと強く感じた。
 おちる。
 おちるきがする。
 つかまらなきゃ、と手を動かして何かを掴む。
 それは手だった。
 宿儺が恵と指の一本一本を強く絡めて恋人繋ぎをしながら、腰を打ち付けている。荒い呼吸が耳に入る。合間に何度も恵の名前を呼んでいる。信じられないほど奥に入った宿儺の存在を感じて、恵は泣きながら宿儺の名前を呼ぶ。すぐさま噛みつくようにキスをしてくれた。分厚い舌が、恵の口の中を蹂躙する。歯列をなぞり、上顎を舐められ、舌を弄ばれながら、ぎゅうっと手を握る力が強くなったのを感じる。
「ぅん゛――♡ ふ、んん♡ ん゛〜〜〜!!!♡♡♡」
 手を握り返したら、宿儺がまたゴツン! と腰を押し込んできた。どくんと腹の中が脈打ったかと思うと、また生暖かいものが流れて、宿儺のペニスが震えるのを感じた。出されてる。体の内側から宿儺にマーキングをされている。気持ちよかったのだと教えられている。様々な感情が溢れ出て死にそうだった。

 翌朝、宿儺の前に今まで購入したおもちゃを並べて、恵は全てを告白させられた。こんなものを買った経緯だけではなく、使った感想、頻度、その時の恵の状態など全てだ。明るい中で妄想に耽った自分の痴態を自らの口で話すことほど死にたくなることはない。いっそひと思いに殺してくれと嘆願したくなる。
「最近お前がやたらと艶めかしいと思ったら、そういうことだったか」
 宿儺は出会った当初から恵のことを友人以上に思っており、いつ切り出すか機を伺っていたらしい。昨夜はあわよくば、と考えていたら名前を呼ばれたので、部屋に行ったら恵があの状態だったから、結果的にあんな流れになってしまったという。
 恥ずかしさと申し訳無さと居た堪れなさで、穴があったら入りたくなる。でも、昨夜の余韻か、熱で浮かれたように頭がぽやぽやしていて、無性に甘えたくなる気持ちもある。冷静になりたいのに感情が忙しなくて頭が追いつかない。
「それで? お前は俺に抱かれたいだけなのか、伏黒恵。この道具の中に俺を加えたいだけか?」
「違っ……! 俺は――俺は確かに、その、お前に抱かれたいとは思ってるけど、それは……お前が好きだからで……!」
「それで?」
 恵は歯を食いしばって、絞り出すように「付き合ってほしい」と告白した。

 付き合い始めたその日の晩、恵はヒンヒン泣いて嬌声を上げながら、宿儺の前で全ての道具を順番に使っていた。
 購入した順に使用してオナニーを宿儺に見せる。
 エネマグラの使い方を説明し、宿儺に見せながら体内に入れて、イくまで使うようにと言われたが、宿儺に抱かれた後ではこの程度の刺激で達することができなかった。気持ちよかったはずなのに、物足りなくて、必死になっても、全然絶頂に届かない。もどかしい上に、宿儺に見られていると思うと焦りや羞恥心で緊張して全然気持ちよく感じなくなってしまった。
「それは今後も使いたいか?」
 尋ねられた言葉に首を振ると、ゆっくりと宿儺がエネマグラを抜いた。
「ではもうこれは不要だな」
「うん…いらない……」
 恵の目の前でゴミ箱にエネマグラが捨てられる。
 それと同じように、電マも、ローターも、ディルドも、アナルパールも使い方、今までの感じ方を説明して、使用してみせるのに、全然気持ちよくならない。極太ディルドに物足りなさを感じたとき、ああ、昨夜一晩で宿儺に塗り替えられたのだと思い知った。
 泣きながら必死になっても気持ちよくならなかった道具たちを、一つずつ宿儺は目の前で捨てる。
 残ったのは宿儺一人だ。
 姿見をわざわざベッド横に置かれ、その前で恵は大きく開脚させられた。いくつもの道具を一晩で飲み込んだ尻穴ははしたなく開いていて、内側の粘膜まで見えるようだった。だが、痛いほど勃起している陰茎も含めて、自分で見たことがない己の痴態に羞恥している余裕がない。
 後ろから宿儺に抱き上げられて、宿儺の脚に恵の足を引っ掛けて開脚させられているからだ。ディルドより太くて血管が浮き出てかっこいい陰茎が恵のアナルに浅くキスするようにちょんちょんと当たっている。
「お前が今まで購入した道具は、最早目的を果たせん。持ち主を満足させられない道具に意味はない」
 そうだな? と確認され、恵は頷いた。
「おれはもう…すくなのじゃなきゃ、満足できねえ…♡」
「結論が早いが……欲望に素直なのはいいことだ」
 くちゅっとアナルに宿儺の先端がくっついた。まだ入れてくれない。入れてぐちゃぐちゃにしてほしい。求めて暴れて腹の中にぶちまけてほしい。恵で興奮して理性を手放してほしい。
「すくなの…いれてくれ…♡」
 腰を下に降ろして飲み込もうとしたら、腰を掴まれた。
「約束して宣言しろ。もう他のものは使わないと」
 鏡越しで見える宿儺の真剣な顔に、恵は鼓動が早まった。なんて顔で見てくるのか。怒りと独占欲の中心には恵への感情がある。それは恵も宿儺に抱いているものだ。同じ気持ちを抱いてくれていることが嬉しくて堪らなくて、アナルがひくひくしてしまった。
「やくそくする…! すくなのしか入れない、もぉどうぐつかわないから、その、す、すくなの…ち、んぽ、いれて…」
 最後はどうしても恥ずかしくて声が震えた。こんな卑猥な言葉を言う日が来るとは想像もしてなかった。
「よく言えた」
 ぶちゅ、ぐちゅ、とはしたない音を立てながら、ズブズブと宿儺の太い陰茎が入ってくるのを、実際の感覚だけでなく視覚的に見せられて、恵はすぐに体を震わせてイッた。だが射精はしてない。腹の中だけで全身を震わせたものの、宿儺の陰茎が浅いところで弄び始めたから、もどかしくなって、余韻に浸ってる暇がない。
「もっと、もっと、ふかく…!」
 腰を沈めようとしても腰を掴んでいる宿儺の手がそれを阻む。
「現状と欲求を言え」
 お前の知りうる限りの最低で卑猥な言葉で、と耳元で囁かれて、背中がゾクゾクした。宿儺は道具でこんなにもガバガバにした恵に怒っているのだ。だから恵は宿儺の言葉に従わなければならない。
「あ、い、今は…すくなの……その、ち、んぽが、……」
「ん?」
「……おれの…、……っ、け、つまん…こに、その…はいってて…」
「それで?」
「あさいから…その、ふかいところまで、いれてほしい……その、ちんぽ、を……」
「そうか」
 徐々に入ってくる陰茎にめりめりと腸を割り開かれている感覚がやばいのに、また少ししたところで止まられた。
「あ、ちが…もっと! もっとふかく……! ぜんりつせんとおりこして……あ、もどんな…あっ♡カリひっかかる…♡あ、そこやだ、もっと奥…ッ! んあっ! そこコリコリすんな…♡――お゛ほっ♡あっ♡べん、ひゅすとん弁♡そこやば♡――ぐぽっていったぁ…♡あっ♡くぽくぽしてる♡すくなのぐぽんぐぽんしてるっ♡いい!♡きもちいいっ♡♡これすきいっ♡♡♡」
 宿儺の陰茎の先端が恵の腹の中で弁にこすれて気持ちよさを引き出す。涙を流して頭を振り乱しながら気持ちよさに狂っていれば、顎を掴まれて真正面を向けさせられた。
 いつの間にか出していたらしい潮で汚れた鏡には、宿儺の陰茎をずっぽり咥えこんで拡がった恵のアナルと、肌を真っ赤にして汗だくになり、まともじゃない顔をしている恵がいた。恥ずかしいのと同時に、これは宿儺に抱かれているからだと実感してまた気持ちよくなって、潮を噴いてしまい、その射精感に似た感覚で更に快楽の渦に飲まれた。足先をピクピク震わせながら耐える恵を宿儺が愛おしそうに見ている。そんな目で見られたらまたイッてしまう。
「どうだ?」
「こいびとちんぽきもちい♡おもちゃかってごめんなさいっ♡もおしゅくなのしかいらねえっ♡すくなのがっ♡きもちいもんっ♡しゅき…すくなすき…あ゛っ!♡お゛っきくなった♡あん゛〜〜〜! ずぽずぽしゅき♡はげし♡あ゛〜〜〜♡あ゛っ♡あ゛っ♡あ゛っ♡ぴしゅとんすきぃ♡おくとんとんしてりゅ♡♡♡」
 自分の声とも言葉とも思えないものが次から次へと聞こえてくるのにも無性に興奮している。こんなもの、宿儺に聞かせるからこそ言ってるのであって、それはつまり、宿儺に抱かれてるからこそで、それで? だめだ、思考がまとまらない。今の状況の何もかもに興奮している。
「おく♡おくでたねづけしてぇ♡びゅっびゅだしてぇ♡きのうみたいに…! あ゛っ♡あ゛っ♡あ゛〜〜〜!!!♡゛きてりゅ♡゛おれおなかですくなのせぇしごくごくしてる♡♡うれし…♡ぜんぶのませて…♡」
 腸壁に精液が叩きつけられる感覚がする。錯覚かもしれないが、なんにせよ、幸せの限界を超えている。今までの気持ちよさも、満足感も超えているが、何より宿儺にこんなところまで抱かれてマーキングされている事実の幸せが半端なくて、目眩がする。力が抜けて宿儺に凭れ掛かると、髪の毛をかきあげられて、キスされた。
「お前の体は誰が開発すべきか分かったか?」
「うん…♡すくながかいはつして…♡」
 首をひねりながらキスをするのは苦しいのに気持ちがいい。くちゅくちゅとはしたない水音を立てながら口の中を舌で弄られていると、腹の中の宿儺が復活して、固く太くなっていくのを感じた。視覚的に見せられるのもドキドキするが、キスで育っていくのを実体験してしまうとさらに興奮して締め付けてしまい、余計にその立派なペニスの形を腹に覚えさせることになった。
「またおっきくなったな…♡」
 首にスリスリと後頭部を寄せると、顎を撫でられた。
「どんなふうに抱かれたい?」
 宿儺の問いに、恵は小さな声で答えた。受け入れてもらえる自信のなさが声を小さくさせたが、案の定、宿儺が恵の耳を甘噛して、もう一度と促した。
「聞き取れんぞ?」
 ちゃんと聞こえるように言わなければ。だって、今朝から二人は恋人同士だ。言っても許されるし、今までの妄想みたいに終わったあとに虚しくなるなんてことはない。望んでもいい立場なのだ。
「きのうみたいに…せ…せぇじょ…いで…その、これがおれのもうそうじゃねえって…教えこんで…?」
「いいだろう」
 一度抜かれて、ベッドのど真ん中に転がされる。宿儺は恵の足首を掴んで限界まで開脚させた。たらぁ♡と宿儺の精液が恵の尻穴から垂れてるのも、もはや使い物にならない恵のペニスも見られてると思うと呼吸が荒くなる。恥ずかしいけど見られているのが嬉しくて、尻穴がひくひくした。見てもらえるのは二人が恋人だからだ。見てるだけじゃなくて早く入れてほしい。
「恵、今のお前がどうなっているのかと、どうされたいかちゃんと言え」
「うん…♡いまは、すくなに…けつまんこみられてる…♡ひくひくしてるけつまんこにすくなのぶっといのいれて♡ぐちゃぐちゃにかきまわして…あと、こいびとつなぎしてほしい…きすされながらイきたい…きのうすごくしあわせだったから…♡」
 一人で妄想するときには絶対にありえないのがキスと恋人繋ぎだった。尻穴とペニスに刺激を与えて気持ちよくなったとしても、その2つだけは絶対にどんなものなのか想像できなかったし、補えるようなものもなかった。それを昨日宿儺はしてくれたのだ。とても幸せで満たされた気持ちでふわふわしていたあの感覚を何度も味わいたい。恋人の特権だから。
 宿儺は分かったと頷いて、バードキスで浅く唇を交わしながら、ゆっくりと恵のはしたない尻穴にペニスを埋めていく。
「あっ♡またいじわるすんな…あさい…もっとおく――っ!ゔっ♡ぜんりつせん゛♡カリでひっかかってる♡い゛っちゃう゛っ♡――お゛ほぉ゛っ♡ぎもちい゛♡――もどんな、もっともっと――いい♡すくなのでかくてきもちい゛っ♡――あはっ♡またでかくなった♡しゅき♡――んお゛♡ぐぽってきこえた♡――もっとぐぽぐぽしてぇっ!♡やさしすぎる、もっと…もっとはげしくし――んお゛っ!♡お゛っ♡あ゛っ♡うれし♡はげしい゛♡すくな゛がおれでこうふんしてる♡ぶっといのでおくきすして♡――んほぉ゛っ♡♡しゅご♡やば♡たねづけするとききしゅして♡おれにごくごくのませて♡あっ!い゛っ!いい゛♡゛しあわせ♡おれしあわせだ、すくな――ぅん゛〜〜〜っ!!!♡♡♡」
 足先までピンと伸ばして絶頂の余韻に浸る。口の中には宿儺の分厚い舌があり、腹の中にはぶっといペニスが入っていて、手は恋人繋ぎでガチガチに固定されていて、身動きが何一つできないのに、どれもこれも宿儺がいるからこそだと感じて嬉しくて堪らなくなる。妄想より遥かに気持ちよくて幸せで胸が締め付けられる。溢れ出る感情が涙になってこぼれ落ちるが、この多幸感と興奮はそれで落ち着くはずもない。それに何より好きという気持ちが収まらない。見ているだけだった時よりも、アナニーをしていた時よりも、遥かに強く好きだと感じる。胸が痛くなるほど好きで好きでたまらない。もっと抱いてほしい。宿儺が射精するまでの間の気が狂うような気持ちよさを何時間でも感じていたいし、その先にある射精された幸せを何回でも味わいたい。
 ふわふわと落ち着かない中、キスを返して気持ちを示す。いろんな言葉を叫んだところで全然追いついてないから、肉体と行動で示さねば。気持ち良すぎて痙攣してる腹と決して離したくないと強請る舌の動きを宿儺は受け入れて、味わってくれている。嬉しすぎてまた軽くイッた。今夜だけで射精も伴わずにナカで何回達しただろう。そのうち、使うことのない精液なんて出なくなるかもしれない。宿儺に抱かれ続けてそうなればいい。
 ずるりと宿儺のペニスが抜け、ギュッと抱きしめられて、恵は今ここで死んでもいいとさえ思った。

♡おまけ♡
 翌々日の夜。
「すくなのもうびみょうにたってる…♡うれし♡あむっ♡んぐぅっ♡んお゛い♡…ぷはっ! ふとくてはいりきんねぇ…♡ぜんぶくちにいれたかったのに…ん、そうだよな、慣れたらぜんぶはいるようになるかも…うん、おれがんばる…♡ちょっとずつ、だな…♡うれし…♡だってこのさきもずっとすくなは抱いてくれるんだって思ったら…しあわせ…♡あ、ふぇらしてねえのにおっきくすんなっ! くちでそだてたかったのに…あっ♡しかたねえな♡ほらっ、すくなせんよーけつまんこにはやくいれろ♡カウパーもおれがのむから♡――んお゛っ♡きょうはさいしょからはげしっ♡♡ごんごんきてりゅ♡んあ゛っっ!♡ちくびっ!あっ♡ひっぱって!♡あ゛っ♡ちくびそだてて♡ん゛ほぉっっ!♡♡ばっくやべえ♡おれのちんこさわんなっ♡い゛ぐっ♡♡まだい゛ぎたくね゛――ん゛っ!!!♡♡♡やだ、さきっぽぐりぐりすんな♡しおでる♡いったばっかだからしおでる♡――あ゛ぁ゛〜〜〜っ♡♡………まだやるよな…?♡ よるはながいもんな…♡」


こちらは淺さんのえっぴっぴすぎる恵の片思いアナニー見て書いてしまった作品ですので、是非とも見て下さい→
透けて見えるアレとか構図とか何もかもが最高…!

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