いつもいつも口付けだけで恵の下半身はだらしなくなる。最初から唇がやたらと敏感だったので、宿儺はお前の才能だと言うが、恵としては宿儺がやたらとテクニシャンだからだと責任転嫁したい。
恵のふっくらとした唇に、宿儺の薄い唇が触れる。本当にそっと触れるだけで、何の強い刺激も与えられていないのに、それだけで恵の体はぞくりと震える。腰を引き寄せられ、宿儺の舌が唇を舐める。宿儺の首に腕を回したら、この体の震えがバレる。いや、腰から服の中に手を入れられてる以上、バレバレか。
ゆっくり、ちろちろと恵の唇で己の舌を扱くように動かれる。アヌスにペニスを入れられているときと同じだ。入れている宿儺よりも、入れられている恵の方が感じている。カウパー腺液がだらだらと下着を汚している。
でも、全然足りない。キスをするなら呼吸どころか意識も奪うほどの激しいものに慣れてしまった。自分の粗相に気付かない程のキスをしてほしくて、恵は自ら宿儺の舌に絡んでみた。
途端、宿儺がグイグイと恵の口内を蹂躙するような荒々しいキスに変えた。罠に掛かったような驚きとは別に体は喜んで宿儺の乱暴を受け入れている。
互いの唾液が出す水音、名前を呼ぶ暇もないほどに重なり合う唇、離れることのない舌。何もかもが気持ちよくて、恵は夢中になって宿儺を貪る。
ビクッ！ と体が震えたと思ったら、射精していた。ボトムスの染みを見て、宿儺がニヤニヤ笑っている。恥ずかしく思いながらも、ほんの少しだけ見られた喜びを感じている時点でもう恵も駄目なのだ。
宿儺はバードキスを繰り返しながら、恵の下着ごとボトムスを剥ぎ取って、ベッドの下に放り投げた。Tシャツだけ羽織ってダラダラの下半身を晒していることに余計な羞恥心が煽られる。中途半端だからこそ恥ずかしいのだ。Tシャツも脱ごうとしたら、宿儺に止められた。
そのまま、ベッドに腰掛けた宿儺のペニスを咥えやすいように床に座る。軽く立ち上がっている宿儺の太くて立派なものの先端に唇をそっと当てる。くらくらするほどの雄の匂いが恵に刺激を与える。これを育てて自分の中に入れてもらうのだ。
宿儺と出会わなければずっと一人で慰めていただろう穴に、これだけ凄いものを入れてもらえる現実に時々びっくりする。
窄めた唇をそっと開きながら、ゆっくりと宿儺のペニスを口に受け入れる。ペニスの輪郭に沿って唇を這わせることで、その太さを実感できるし、何より唇から全身へと甘い痺れが広がるから、キスの次にフェラチオは好きだ。喉奥まで受け入れて、宿儺の陰毛が眼前に来ると満足しそうになる。むわっと口の中に広がる宿儺の強い匂いで鼻の奥まで満たされる。
それだけでびくびく腰を震わせていたら、宿儺が恵の唇をつんつんとつついた。見上げれば宿儺が愛おしげに恵を見ていた。
だめ、と思った頃にはピュッと精液が漏れていた。
「見つめられるだけでイけるようになったのか？ 可愛らしいことだ」
だが、お前の咥えているものをどうにかしなければ天国は見れんぞ、とくすくす笑われる。
ゆっくりと味わうように、頭を動かして、宿儺のペニスを唇と舌で扱き始める。手で陰囊をやわやわと揉みながら、早く育って入れてくれと思うくせに、フェラチオの時にしか感じられないこの甘く痺れる感覚が堪らなくて、ずっとこうしていたい気持ちもある。アヌスに入れられて全身が震えるのも好きだが、口で奉仕することで脳へダイレクトに快感がつながる感覚も好きなのだ。
口蓋に丸くてつるつるの亀頭が当たる。さわさわと先端が当たるように動かせば、じんわりとした気持ちよさが口蓋から広がって、頭に響く。唾液が垂れるのも気にせず、大きく口を開けて何度も繰り返せば、どんどん気持ちよさが増して自分が何をしているのかも分からなくなってくる。ただただ気持ちがいい。ゆるく当たるようにしているからこそのもどかしさが、欲求を更に高めていき、全身がビクンビクンと震える。
唇で宿儺の欲望の形を感じることで恵の口内の唾液が増える。口の端からタラタラと漏れて、液体が首筋を這う感覚にすら感じて、びくびくと体が震える。ぱくぱくと己のはしたない穴が、口ではないところに入れてほしいと訴えているのに、恵は口の中で弾けてほしくてじゅぶじゅぶ音を立てながら奉仕している。
時折、宿儺のペニスが太くて大きすぎて歯に当たるのにすら過敏な反応を示してしまうのが恥ずかしい。それを誤魔化すようにあむあむと甘噛すると口の中の宿儺が反応してくれる。硬い歯でわざとペニスを撫でると更に反応が変わる。楽しくなってしまう。
高揚した気持ちで、唇と歯の間に滑り込ませて、つるんとした感覚で悦楽に浸る。このめくれ上がる感覚も、フェラチオでしか味わえない。これも好きだ。口の中が宿儺の匂いでいっぱいになる。宿儺のペニスを握って唇と歯の間で気持ちよくなっていたら、宿儺に頭を撫でられた。
「お前は一人遊びばかりして」
苦笑しているが、その瞳は欲望でぎらぎらと光っている。剣呑な激しい感情を感じてしまう。その顔が好きだ。恵だけを見てくれていると実感できる。
詫びを入れるように、ちゃんと咥え直して上目遣いで見返してやれば、それでいいというように頬と顎を撫でられた。ああ、この先はこの喉奥で宿儺の亀頭を気持ちよくしてやらなければ。頭を前後に動かして、夢中になってしゃぶりつく。
宿儺のペニスがかたくなるのをダイレクトに口の中で感じた時の高揚感は筆舌し難い。自分でこんなに硬くしてくれてる、唇も口の中も気持ちいい、これが自分の腹に入る。そんな喜びが全て一気に襲いかかってきて、恵はまたビクッ！ と腰を震わせた。
「出すぞ、恵…っ！」
いきなり後頭部を抑え込まれて、喉奥まで咥えさせられた途端、宿儺のペニスが口の中で震えて、ビュルッと喉奥に精液を出した。恵は頭を抑えられた状態で腰から下を震わせて、同時に吐精した。気持ち良すぎた。後頭部に感じる宿儺の大きく熱い手が恵の感情をかき乱す。気持ち良すぎて溢れる涙と、留めきれなかった唾液で顔はぐちゃぐちゃだし、逆流した精液が鼻の方に入って痛いのに、幸せで仕方がないのは何故なのか。
ふわふわとした感覚に酔いしれていたら、宿儺がホットタオルで恵の酷いところを拭ってくれた。
「お前は本当に魅せてくれる」
ホットタオルで秘部を拭いながらキスをされ、また出してしまいそうになったが、その前に脇に手を回され、ベッドの上で開脚させられた。
「本番はこれからだが、ついてこれるか？」
キスとフェラチオだけで体力を使い果たしたと思われたくない。恵はむっとしつつも、逆に煽るように更に足を広げる。
「意識がぶっ飛ぶまでやれよ」
その晩もまた、意識がぶっ飛んで嬌声を叫びながら宿儺に激しく抱かれ、恵はとても幸せだった。
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