3人でお楽しみ

「あのさ、ちょっと酷いことをしてみたいんだけど、イイデスカ」
 カカシのとんでもないいきなりの発言に、オビトは「はあ?」と睨んだ。今はカカシの家で二人でのんびりした時間を過ごしており、風呂も上がって、さあ、そういうことをする時間だね、という空気があった。互いの体温がわかるくらい近い距離で座っているから、カカシが腕を回せばそのままキスできるほどだ。
「いやさ、あのう……3Pって言ってわかる?」
 さんぴー。その言葉の意味を考える。3ってなんだ? Pって何を略してるんだ? オビトは幼い頃からそういうことにはとんと疎く、カカシが地味ながらも執拗なアプローチをした結果、漸く恋人関係なるものについて理解をし始めたようなものなので、変態小説を読み、そういうことに興味津々なカカシの言葉をあまり理解できない。
「んー、その……ね、3人でプレイするから3Pって言うんだけどさ」
「待て、3人でプレイって、何を?」
「まあ、ナニを、3人でする」
 オビトはすかさずカカシを殴った。
「痛っ! なにすんの」
「3人でって! 何考えてんだ!? 他の女呼ぶつもりか?! 酷すぎだろ!」
「あっ、そっち? え、違う違う、男1女2じゃなくて、男2女1」
「お前、私を他の男に委ねるつもりか?! 最低にも程があるだろ! どこが少しだ!?」
「勿論他のやつ呼ぶわけないでしょ。ええと、影分身したオレとの3Pを考えてたんだけど」
「こんなことに術を使うな、変態!」
 カカシのしつこさと真摯さに根負けした結果、付き合い始めて3ヶ月。互いの任務の合間に逢瀬を重ねて何回か体を重ねた程度の間柄だ。オビトは思っていたよりも優しくて甘ったるいカカシの接し方に絆されていたものの、これは別れを考えるべきだと思う。
「いや、まあ、興味本位なだけなのは認める」
 カカシは至って真面目な顔だが発言が最低だった。
「お前、そんな変態行為、受け入れると思うか?」
「思わないから最初に断ったんじゃない」
 あー痛かったとオビトが殴った頬を擦っているが、自業自得である。
「大体どうやって3人でするんだよ。普通に1人余るだろ」
 カカシに体を開かれて漸く官能の世界を知ったオビトには、3人ですることなんて想像もつかない。キスは2人でしかできないし、恥ずかしい所も2人で1つになるけれど、じゃあ3人目は一体何をするというのか。見てるだけなら不要だろう。
「うーんとね、例えば……」とカカシが影分身を出した。しまった、とオビトは後悔した。出させてしまった以上、このままカカシのペースに乗せられて3Pをするはめになる。逃げようと試みたが、カカシの腕がオビトの腰に周り、さっとカカシの膝の上に乗せられた。影分身は立ったままオビトの前にいる。目の前にはカカシの影分身の股間部分が迫っている。あ、とオビトは気付いた。時々させられる、口でのあれこれが頭の中で蘇る。ああ、と恥ずかしくなって、オビトは赤くなる頬を隠すように手で覆った。
「オビトの口とおまたに入れたりとか」
 影分身がしゃがんだと思ったら、今度は本体のカカシに足を持ち上げられて、股間部分を晒すような体勢をさせられる。影分身と本体の腰が、オビトの股と尻にぴったりとくっついている。
「おまたとお尻に入れたりとかするわけ」
 カカシの低く響く声が耳元で聞こえる。目の前にもカカシがいて、既にそういうことをしたがる顔になっている。逃げ損なったと後悔しながらも、前と後ろから感じる強烈な雄の存在に、オビトはどきどきして、冷静に考えられない。
「口もお尻も気持ちよかったでしょ?」
 そんなことない、とオビトは反論したかったが、でも、確かにどちらでも絶頂に達したことはある。カカシがあまりにもねちっこくて、なのに冷めることなんて許さないくらいの連続的な快感を与えてくるせいで、オビトはいつも最後には理性がとろけて使い物にならなくなるのだ。
「どう? 興味湧いてきた?」
 影分身のカカシがオビトの鼻先まで近づいて微笑む。オビトにだって顔の良し悪しでドキドキするかどうかくらいの乙女心はある。やはり、カカシの涼やかな目元や、すっと伸びた鼻筋、薄い唇、シャープな輪郭、きめ細かい白い肌に、ドキドキしてしまう。こんな美しい男が、オビトを好きで仕方がないという。大きく逞しい手がオビトの体を這い、舌がオビトを翻弄する度に頭がおかしくなるほど嬉しく思うのは真実だ。
 未だに答えられないオビトをじれったく思ったのか、影分身が顔を隠そうとするオビトの手を取って、顔を晒させるとちゅっとキスをしてきた。本体のカカシもオビトの耳を歯と舌で弄んでいる。二人のカカシの腰がいやらしくオビトに擦り付けるように動いている。
「オビト、大丈夫だよ、何の心配もいらないから」
 ね、楽しもうよ、と言われて、オビトは渋々頷いた。

 本体のカカシに乳房を触られながらキスされているというのに、影分身のカカシがオビトの秘部を手と指で翻弄してくるので、オビトは泣きたいくらい逃げ出したかった。自分が自分でなくなるような、暴力的な快楽に頭がおかしくなりそうだったが、二人のカカシはオビトが逃げ出さないよう、がっちりとオビトを拘束している。しかも、影分身は股と尻のどちらも拡げてくるので、オビトは喘ぎたいのに、本体が息を許さないくらいねちっこいキスをしてくるし、乳房を揉みながら時折乳首を摘んだりこねたりするので、もう、何も出来ないでいる。その上、影分身があれこれと実況してくるから耳を塞ぎたいくらい恥ずかしい。
「あんなに混乱してた割には素直に興奮してるよね、可愛い」
「お尻がひくひくしてるの、わかる? わかるよね。エロくてものすごくいい」
「こんなに愛液垂らしてくれて嬉しいな、オレとえっちするの好き? 好きだよね。言わなくてもわかるよ、オビトは素直ないい子だからね、態度にも体の反応にもよく気持ちが出てる」
「イきたい? イッていいよ、ほら、オレにえっちなオビトを見せて」
 酷い男だと思いつつ、カカシの手で絶頂に達したオビトは体を弛緩させる。ノンストップなキスからもようやく解放された。くてんとだらけてしまったオビトを、二人のカカシはベッドに運び込んだ。あまりにも奇妙な光景である。
「次はもっと気持ちよくなるよ」
 カカシ達がうっそり笑う。獰猛なオスの笑みだ。ゾクゾクして仕方がない。きれいな顔で、強烈に男だと主張されると、頭がくらくらする。しかもカカシが独占欲を見せるのはオビトに対してだけだ。はやる心臓を落ち着かせる暇もないまま、本体が仰向けになっているオビトの股に陰茎をおさめていく。大きくて太くて長いらしいカカシの陰茎はオビトの腹の中をゆっくり進んでくる。この瞬間もオビトは好きだ。そうとも、カカシに抱かれるのは好きなのだ。カカシがオビトを欲しがって、オビトの体に溺れているのを見るのは幸せなことだ。もっとオビトに夢中になればいい。きゅっと腹に力を入れて締め付けると、カカシが「あ」と声を漏らす。気持ち良さそうに眉を寄せているのを見るのが好きだ。
「ね、オビト、こっちのオレのも食べてよ」
 影分身がオビトの顔に陰茎を乗せる。オビトは口を大きく開いて、陰茎が入ってくるのを待つ。舌を絡ませて、先端を刺激すると液体がどんどん溢れてくるのを感じる。不味い液体のはずなのに、オビトはえずくことなく、口の中の陰茎をしゃぶる。その間にも、オビトの腹をカカシが出たり入ったり、揺さぶったりしながら、オビトの弱い所を刺激してくる。あまりにも気持ちがいい。いつだってカカシとの行為は心が満たされて気持ちよかったが、これは種類が違う。体が先に来ていて、頭がおかしくなる。到頭、本体のカカシがオビトの腰をがっつり掴んで揺さぶるようになり、影分身のカカシがオビトの頭を掴んで出し入れするようになると、もうオビトはなすがままだ。きゅうっと腹にいるカカシを締め付け、じゅうっと口の中のカカシを吸い尽くす。途端に、腹にも口にも液体が溢れた。じわあっと広がる生暖かさにうっとりしてしまう。腹の中のカカシがオビトに最後まで出し切ると、陰茎を抜く。穴から精液が垂れてるのを感じて、恥ずかしくて股を閉じようとしたのに、カカシがそれを阻んで、精液を掻き出している。
 口の中のカカシの方は引き抜かれたと思ったら、「飲んじゃだめだからね」とカカシの手に吐き出すよう促してきた。口の中にある精液を唾液と共にカカシの手に垂らす。
「ね、今のオビト、すごくえっちでいい顔してるよ」
「ばーか」
 ティッシュで手を拭いた影分身のカカシがオビトの口周りも拭ってくれた。
「お前の毛、口の中に入ったんだけど」と舌にカカシの陰毛を乗せて見せたら、手で取ってくれた。周到に用意されていたペットボトルの水を影分身が口に含むと、オビトに口移しをしてくる。股の中身を掻き出されながらと口移しではどちらも刺激的で体が震えて仕方がなかったが、どちらの感覚にも夢中になってしまう。
 そうしている内に、仰向けからうつ伏せにされて、カカシがオビトの尻の方をほぐし始めた。影分身によってすでに解されている穴はカカシの指を飲み込んでうねっている。その刺激に震えるオビトに、影分身がまだ立ち上がってない柔らかな陰茎を差し出した。オビトはそれに手と口で応える。陰嚢も裏筋も鈴口も何もかもを撫でて、舐めて、扱いて、固く太くなるのを待つ。カカシの陰茎はすぐにオビトの期待に応えた。そうして、オビトの喉の奥まで犯してくる。同じ頃に本体のカカシがオビトの尻に陰茎を入れてきた。膣とは違う感覚に打ち震える。
「お口もお尻もオレでいっぱいで気持ちいいの?」
「凄く締まりがいいな、興奮してる?」
「吸い付きがすごい、オビトは同時に責められるのが好きだったんだね」
 恥ずかしいことを二人のカカシに言われると、オビトは咄嗟に反論したくなるが、体は確かに喜んでいる。他の女に決して振り向かないカカシはオビトにだけこんなふうに甘えて、酷いことをする。オビトなら許してくれると信じている傲慢さを可愛く思う。だから、こんな訳のわからないことにもオビトは興奮してしまっている。
 先程よりも二人のカカシは動きが激しい。オビトは何度となく揺さぶられる中でイっているが、カカシはまだ射精しない。だから、オビトはカカシの射精を促すように締め付けて、吸い付いて、追い込んでいく。先に出したのは本体のカカシだった。流石にゴムをしていたからか、膣の時のような感覚はないが、オビトとしても達成感がある。その少し後に影分身の方もオビトの喉の奥に熱い液体を注いできた。
 体を支えるように刺さっていた2つの陰茎が抜けると、オビトはベッドに横たわってしまった。あまりにも激しい夜だ。
「オビト、才能あるよね」
「何の才能かは知らねーが絶対いらないやつだろ、それ」
 このタイミングで何かの才能があると言われてもろくでもない事は間違いないから嬉しくない。また影分身のカカシが差し出した手に精液を吐き出す。口でやるのは嫌いじゃないが、吐くのは面倒だ。
 二人のカカシは暫くオビトの体を弄ったり、舐めたり、齧ったり、好き放題していた。どれにもオビトが敏感に反応して股を濡らすと嬉しそうだった。
 多分まだ続きがあるなとオビトは予感していた。終わりなら影分身を解くはずだ。どうしよう、とオビトはあまり回らない頭で考える。これ以上気持ちよくなってしまったら、一体どうなってしまうんだろう。カカシなしでは生きていけない体になるのか。そうしたいとカカシは前に言っていた。オレ以外の誰にも興味を持てないくらい、夢中にさせてあげるから、と言われてオビトは嬉しかったのを覚えている。その間、カカシは絶対よそ見なんてしないからだ。しかし、もうすでにカカシなくては生きていけない体にされてるのに、これ以上先なんてあるのか?
 そんな事を考えているうちに、本体のカカシに騎乗していた。意識が全然回っていない。とろんとした頭ではカカシのやることなすことを感じる以外出来ない。影分身の誘導で、既にいきりたつ本体の陰茎に腰を降ろされる。途端に背筋がピンと伸びるくらい、中で感じてしまう。
「入れるだけで感じ過ぎちゃうなんて可愛いな」
「今からお尻にも入れるのに大丈夫?」
 影分身がオビトの尻に陰茎を添える。
「待っ、え? 流石に裂ける! 無理だろ!」
「大丈夫だって、同時に玩具入れたことあるじゃないの」
「あんな細くないだろ、お前の!」
「嬉しいこと言ってくれるなあ」
 呑気な声で答えながらも、影分身は少しずつオビトの尻の中を進む。
「あっ、あああ、ああー!」
「すごい、今までで一番きつい……」
「こっちも締められてやばいな、すぐ出そう」
「ばか! アホ! や、あっ、やば、ああっ!」
 さっきよりも更に背中を逸して与えられる刺激に耐えようとしたが、もう限界を超えている。さっきまではシチュエーションにも酔っていたが、そんなことを忘れるくらい、同時に犯されるのはオビトのキャパシティーを超えたことだった。耐えられなくて、横たわる本体のカカシにもたれかかると、キスをされた。口の中を全て支配するような傲慢なキスが気持ちよくて仕方がない。最後まで入れきった影分身のカカシはオビトの乳首を指で挟みながら、乳房を揉んでくる。逃げ場がない。気持ちよくなるしかないと追い詰められていることが、ドキドキして仕方がない。
 影分身のカカシが揺さぶると、腸と膣のどちらもが動いて、混乱するほどの刺激になる。叫びたいくらいの快楽だというのに、本体のカカシがキスをやめてくれないので、じたばたと暴れてしまう。それがまた刺激になって戻ってくるので、オビトは泣きながら二人のカカシに翻弄される。でも、嫌じゃない。それを分かっているからか、オビトが泣いているのに二人とも全然動きを止めてくれない。
 オビトがどちらのカカシもきゅっと締め付けると、同時に射精された。尻の方はやっぱりゴムをしてくれているが、膣の方はしていない。オビトに孕んでほしいと常々カカシは言っているし、オビトも子供さえ拵えてしまえば、うちはから寄越されるお見合い話を全部蹴ることができるから、中に出すことについては二人は同意している。だから、再び中に出された生暖かいものが腹を満たすとうっとりしてしまう。そのタイミングでカカシが深いキスを繰り返す。影分身のカカシもまだ尻から抜かずにオビトの汗だくな背中を舐めている。
「3Pよかったでしょ?」
 ニヤニヤしているカカシの額を指で弾く。どうせカカシの方がいつも一枚上手なのだから、オビトは逃げることができないでいるのだが、なんでも思い通りだと調子に乗られるのはムカつく。
「なあに、オレが二人だけじゃ足りなかったの?」
 と影分身が耳元で囁いてきた。腰も揺さぶってくる。まだ入れたままのものを感じてしまうではないか。
「お前みたいな厄介なやつ、これ以上増えても迷惑だ」
 オビトが影分身を肘で突くと、ぼふんと影分身は消えた。その代わりにカカシの不埒な手がオビトの尻穴に触れて、ぐにぐにと弄んでいる。
「一対一のほうがお好き?」
「……あんなの、体がもたない」
「じゃ、頻度は控えるよ」
 恐ろしいことを言いながらカカシがオビトの顔中にキスをする。その時の顔があまりにも楽しげなので、オビトははっきりと嫌とも言えないまま(嫌なわけじゃないから困っているのだ)カカシに体のすべてを委ねる。
 オビトの腹の中でまた復活した陰茎が敏感なところに触れる。
「お、おまえ、加減を知れよ」
「オビトがえっちで最高に可愛いから終わらないだけだよ」
「人のせいにすんな、あっ、」
 カカシに下から突き上げられて、オビトは悲鳴のような嬌声をあげる。何をされても許してしまうのは惚れた弱みか、と諦めながら、カカシの行為に付き合う。抜かずに2回も連続で精液を吐き出された腹はもうぐしょぐしょどころではない。腰を上げて陰茎を抜くと、ありとあらゆる液体がオビトの股から溢れ出す。
 もう一度風呂を入り直して、汚れたシーツを取り替えて、抱きしめ合いながら眠りにつく。
 全身を包んでくれるカカシの体温に安心を覚えるとき、オビトは幸せを感じるのだ。たとえ多少変態的な趣味の持ち主だとしても、世界で一番オビトを求めて大切にしてくれる。それだけは間違いないのだ。