着衣
現パロ同棲 / 社会人恵が学生服を着てたので、宿がノリノリで手を出した。
年末の大掃除にあたり、仕事で31日まで働いている宿儺に代わり、恵が家の大掃除をしていた。
初めての同棲は戸惑いの連続であったものの、概ね良好だ。家事の分担もきちんとできているし、お互いに仕事を持つ身ゆえ最低ラインさえできていれば良しとしようとなっている。その最低ラインの基準が面白いほどぴったり同じだったので、恵は宿儺との生活を不安に思わないで済んだ。
育った地域も違うし、家庭ごとの文化の違いもあって、ああではない、こうではないと議論した事もあったが、喧嘩になったことはないし、お互いの妥協点を常に探して、落とし所をつける。学生時代に避けていた男と同棲するほどの関係になるとは予想もしなかったが、今の所平和だし、問題らしい問題は発生していない。
宿儺と恵は同じ高校に通っていたが、接点はあまりなかった。宿儺が学校に来る頻度が極端に少なかったので、関わり合うことができるはずもなかった。だから、悠仁の結婚式に兄弟として参列していた宿儺と会話するのも不思議な気分だったのだが、ぽつぽつと話していると意外と気が合うことに気付いた。後日、二人で飲みに行き、話したいだけ話して、その後、宿儺の家に行った。二ヶ月後にはほとんど筒抜けになっていたお互いの感情を確かめ合い、交際することにしたのだ。
高校時代、暴れ回っては周囲の人間に傷をつけたがっていた宿儺は今や起業していっちょ前に社長をしている。まだ中とも言えない小企業だが、業績は順調だ。宿儺は社会人になって常識をある程度身につけて、攻撃的な本質は変わらないものの他人への態度を表向きは改めた。
恵に対してだけは他の誰とも違う扱いをする。とても大切にしてくれるし、恵の意思を尊重してくれる。傲慢で我儘で強引なくせに、言動や態度の中に恵に対する感情がにじみ出ていて、絆されたのだ。これほどまでに思ってくれる人なんて多分現れない。変化球を好まず、ストレートに愛情を伝えられ続け、恵はこの男と暮らすことを決めた。
二人が住んでいるのは恵の実家だ。姉の津美紀が結婚して家を出ていたし、一軒家で猫の額ほどだが庭もある。昔は犬を飼っていた。そんな恵の思い出が詰まった家に宿儺が住みたいと言ったのだ。お陰で引っ越す手間がなかったのだが、同時に整理整頓もしきらないまま新しい住人を迎え入れてしまった。なので、この大掃除で要らないものを捨てて、宿儺のスペースを作らないといけない。
学生時代の教科書等も捨てずに置いていたが、流石に整理してもいいだろうとペラペラめくる。時折下手な虎杖の落書きが見られたりして、懐かしさを感じる。
あの頃、宿儺が何をしていたのか恵は知らない。他人に害をなす男だったので、警察のご厄介になっていたのか、それとも別の何かをしていたのか分からないが、折角同じ高校に通っていたのに思い出の一つも共有できなかったことが今更悔やまれる。修学旅行も来なかったような男だ、京都で迷子になったり、大阪のテーマパークで絶叫したりという思い出もない。勿論、今から思い出を作ることは出来るが、学生時代でなければ感じられないものもある。勿体無いことをしたものだ、と宿儺にも自分にも思う。
そういえば、と押入れを漁ると制服が出てきた。中学のブレザーと高校の学ランのどちらも残っていた。姉が残していてくれたのだろう。ブレザーは流石に着れるサイズではないが、学ランはぎりぎり着れそうではある。つまり高校から体格体型が変わってないということだが、何となしに羽織ってみると学生時代の記憶が蘇る。中卒では仕事がないからと渋々奨学金を借りて通った高校だったが、振り返れば通ってよかったと思う。大学進学するほどの何かも持てず借金をしてまでモラトリアムを過ごすつもりはなかったので恵の学生生活はそこで終了したが、今の生活に満足している。
ズボンの方も履けたことが腹が出てない証拠に思えてよかった。髪型は学生時代とは違い、短くしているので高校の時のそのままの姿とは言えないが、懐かしさでいっぱいになる。思い出に浸るタイプではないはずなのにと苦笑しながら脱ごうとしたら、「面白いことをしているな」とからかう声が聞こえた。
「帰ってたのか」
「お前がコスプレに夢中になっている間にな」
「コスプレではないだろ」
確かに二十代も後半なのに学生服を着ていたらコスプレか。いや、でも自分の学生服だぞ、と悩んでいたら宿儺が後ろから抱きついてきた。少しばかり高いところにある頭が、恵のつむじに鼻を押し付けてにおいを嗅いでいる。不埒な手がズボンの前を寛げて下腹部を撫でていた。
「おま……何盛ってんだ」
「ん? そういうつもりではなかったのか」
「な訳ねえだろ、ちょっと整理してたら懐かしくなっただけだ。ほら退けよ、脱ぐから」
「お前のストリップショーも悪くはないが、今はこの姿のままヤる」
「ヤらねえよ、こら、手ぇ離せ……んっ……」
宿儺との生活で恵が覚えてしまった官能が刺激されるようなキスを無理やり振り向かされながら施されるとちょっとその気になってしまう。宿儺と付き合うまで知らなかったせいか、変な形で性行為にハマってしまっている気がする。宿儺の強引さがちょっと危険に感じて、しかし微かに興奮させられるのだ。抗っても逃れられないことに喜ぶなんておかしいのに、それが下半身への刺激になっていつの間にか宿儺を受け入れるための準備になる。
恵のペニスをズボンの上から揉みしだきながら、Tシャツ越しに乳首を摘まれる。後ろから押し付けられる宿儺の熱く硬いペニスが入ってくるのを想像すると唾液が増えて、キスの合間に口から垂れ、腰が揺れる。
受け入れることを求める姿なんて宿儺以外に見せられない。宿儺は自分を求めて恵が乱れると殊更嬉しそうに褒めるのだ。事細かに恵の様子を口にして、しかし宿儺を受け入れようとする体と心こそが素晴らしいと喜んでくれる。だから多少はしたないと思っても、宿儺が喜んでくれるのが分かってるから恥ずかしくても嫌ではない。
キスをしていると褒め言葉が聞こえないのがもどかしいが、キスの心地よさも手放し難い。いろんな女も男も抱いてきた結果のテクニックが、恵を昂らせている。学生時代の宿儺ならどうだったろうか。まだ拙くて、恵を傷つけたかもしれない。でもその過程で二人しかいない時間をより密に感じただろう。惜しいことをした。
「何か考えてるな」
ぴんっと乳首を指で弾かれて、びくりと身体を震わせる。宿儺のおもちゃになってしまった身体は恵の言うことなんて聞かない。全ては宿儺の支配下にある。だから、今この時、恵の思考すら宿儺が支配しているべきなのだ。恵は数ヶ月で躾けられた通り、素直に宿儺の問いに答える。答えたら褒美をくれるのをもう何度も体験した。
「高校生のお前ならどう抱いたんだろうって……それだけだ」
答えたぞ、と見つめると、宿儺が鼻先にキスをした。そうじゃないだろと宿儺の腰に尻を擦り付ける。ズボン越しに感じる宿儺のペニスがより大きくなった気がする。早くほしい。
「過去の自分に嫉妬せねばならんとは」
うーむと悩ましげな宿儺もいい。この時間を過ごす間、宿儺は自分以外のことを考えるのを恵に禁じているし、恵もそれに従っていた。その方が気持ちいいからだ。さて、宿儺はどうするつもりなのだろうか。
「お前の妄想に付きあってやる、存分に泣き喚け」
ケヒッと笑う姿は、かつてのように凶暴だった。
★
「や、あああっ、そこ…やめ、あッ、ぐっ!」
「ほら、声を我慢するな。言ったろう、泣き喚けと」
ゴムもつけずに精液でどろどろになった恵のアナルをガツガツと宿儺が腰を大きく揺さぶって掘っている。下着の後ろを裂かれ、服は着たまま、立ちバックで犯されている。
これはセックスというより強姦だ。いつもなら高い体温を全身で感じるくらいきつく抱きしめてくれるのに、ただ腰を突き出せばいいという体勢でお互いに服を脱がずにアナルとペニスだけが快感に溺れていて、心の交歓が足りない。
でも、いつもは紳士的と言えるほど丁寧な宿儺に、雑に扱われる事に対して興奮しないということもない。どきどきする。この男の本質に漸く触れられたような気がして、いつも少しばかり感じていた寂しさはなかった。
恵を傷付けず、常に少し刺激的な事しかしなかった宿儺の遠慮を、こんなことに慣れていない恵はありがたくも感じつつ、早くそんな遠慮がなくなればいいと思っていた。勿論、身体のことを思い遣ってくれているのも分かっている。でも、時には羽目を外したっていいじゃないかと悔しかった。
羽目を外した宿儺は強烈だった。あまり解してもらえないまま雑に指で緩めたアナルに宿儺はすぐに勃起したペニスを突っ込んだ。宿儺自身の快楽を求めるだけの動きに恵の前立腺は早々に悲鳴を上げて泣いた。脱いでいない下着の中がぐちょぐちょで気持ち悪いのに、それ以上に後ろから絶え間なく与えられる快感に溺れる。後ろで両手首を掴まれて、自由のない状態で腰だけを動かしている姿を客観的に想像してどきどきした。
「いつもより締め付けがいいが、被虐趣味でもあったのか」
「やっ、わ、わかるかっんな……あああっ!」
自ら問いかけてくるくせに体の奥の奥を抉るような腰使いをされてはまともに答えられない。何回目か分からない射精で溢れた恵の精液が畳を汚している。掃除が面倒だろうなと一瞬思ったが、すぐに快楽で宿儺の方に思考を持っていかれた。
「お前の口でもやりたい。いいな」
それは確認ではなく命令だった。高圧的な宿儺の態度が恐ろしいのに男らしくかっこよくも感じて、思わず唾を飲み込みながら頷いていた。恵もそれなりにヤンチャをした方だが、宿儺はもっとやばかったらしい。頭を掴まれ、無理やり座らされると目の前に精液に塗れたペニスがあった。フェラは少し前から教えられて、宿儺がどんな動きを求めているのか知っているつもりだ。でも、あれは優しい宿儺の時であって、今の宿儺が何で満足するか分からない。同一人物なのにまるで別人のような態度で抱かれてるので、浮気をしているかのような不思議な気持ちになる。
とにかく口を開き、舌を出して迎えるとペニスの先端が舌の上で動く。
「まだ咥えるなよ。まずはお前の味覚を変えてやる」
ペニスを握って、恵の舌を先端から奥まで精液を塗り込むように動かされている。少しえずいても我慢して、宿儺を見つめながら、舌に与えられるものに集中していると、アナルが疼いた。あれだけ出された宿儺の精液が下着の穴からズボンにまで垂れているのが分かる。恥ずかしいのに興奮して、思わず溜まった唾液を飲み込むと、ガッとペニスを突っ込まれた。
「しゃぶれ」
短い命令からは愛情なんて感じないのに、恵は宿儺のペニスの竿に手を添えて、頭を大きく振りながら奉仕する。舌先で先端を刺激して、時折陰嚢も揉んで、宿儺の射精を促した。宿儺の鋭い目線が恵の動きの全てを見つめていることで体が熱くなる。触られていないのにまた勃起してきた。
あ、イクのかなと思った時、頭を固定されて、喉の奥までペニスを突っ込まれた。流石に吐くと藻掻いたが、そのままどばっと射精されてしまったので、喉を動かしてなんとか飲み干す。味覚を変えるという宣言通り、前までは苦手に感じていた精液が美味しいように思えて、また身体を作り変えられたと恵は奇妙な敗北感と被支配感に酔ってしまう。
精液を出し切った宿儺のペニスが口の中から出されて恵の顔に触れた。太さも長さもよくまあ服の中に収まっているなと思わされる逸物だ。それが先程まで恵の口内と喉を犯していたのだ。鼻でにおいを嗅ぎ、唇で先端を味わうようにしていたら、「淫乱だな」と笑われた。
「お前がそうしたんだろ」
「そうとも。俺好みに乱れろ、恵」
嘲笑う宿儺が恵の腕を引っ張り立たせると、二人は寝室になだれ込んだ。ベッドの上に宿儺が寝転がると、恵はその上に背面で跨るよう命令された。
「十分お前のケツは濡れているだろう。俺のを自分で挿れて腰を振れ」
その言葉通りに手を使って宿儺のペニスを入れようとしたら「手は使うな」と注意された。
「嘘だろ、無理だ」
服を着ていないならともかく、少しずらされたズボンと裂かれた下着を脱いでいいと言っていない時点で、これは着たままやれということだ。その状態で手を使わず挿れるなんて不可能だ。
「俺がやれと言っている」
にやにやと笑う宿儺が憎たらしくもあり、その傲慢さにもときめいている自分を恵は叱咤した。完全にペースに乗せられている。でも楽しくないわけじゃない。
「できなかったら……どうなる?」
「それは今知ることではない」
何かしらのお仕置きがあるのだろうかと期待している自分がいる。宿儺の本性のほんの一部でしかないだろうに、その片鱗だけでこんなに興奮していたら身が保たない。ぞくぞくしながら、腰を降ろして何とかしてペニスが入るように努力する。
何度か失敗した時、宿儺が恵の尻をパンッと叩いた。いきなりのことでびっくりして腰を止めたら「止まるな」とまた叩かれた。その度にまだアナルに残っていた精液が散る。まるで漏らしたみたいで恥ずかしかったが、とにかく挿れることに集中しなければ、終わる頃には恵の尻が真っ赤になる。しかし、叩かれたことに気を取られて何度も失敗し、その度に叩かれては段々気持ちよくなって、叩かれる事を期待するようになっていった。だって宿儺から与えられた刺激だ、感じない方がおかしい。
「ふむ、お前はわざと俺に叩かせているな」
「んっ! や、だって……」
「これからはもうここを触る必要はなさそうだな」
ぐいっと親指をアナルに突っ込まれ、拡げられる。その感覚が一番キた。
「ああああっっ!」
射精を伴わない下腹部全てが痺れるような感覚に襲われて、涙を流して震えてしまったら、宿儺が「勝手にイったか」と呆れた声を出した。それが怖くて、啜り泣きながら腰を動かしてなんとか宿儺のペニスを挿れようとした。失望されたら抱いてくれなくなるのではないか。それは嫌だ。
「すくな、すくな……」
宿儺は暫く黙った後、予告なく恵のアナルにペニスを突っ込んだ。嬉しさのあまりに絶叫したら、「もっとだ」と恵のペニスを握られた。
「ほら、頑張れ頑張れ。俺の上で踊ってみせろ」
「おどるっ、おどるから、だいてくれ…!」
「お前次第だな」
恵は腰を思い切り使って、ぎりぎりまで抜き差ししたり、前後に揺れたりしながら、宿儺のペニスを締め付けた。大きくて太くて硬いものが恵の全てを狂わせる。いつものセックスと違う。肌の触れ合う箇所が少なくて寂しいのに、倒錯的でおかしくなりそうだった。唯一触れ合うアナルとペニスだけが頼りで、その熱に浮かされて、いつもならしない動きをしてまで宿儺を感じたかった。
一番締付けをきつくした時、宿儺がペニスを抜いた。ぽっかりと空いたアナルがひくひくと宿儺を求めているから、恵は「なんで」と宿儺を批難した。
そんな恵の恨みがましい様子なんて気にせず、宿儺が恵をベッドの上に転がした。漸く抱いてくれるのか。先程迄の気持ちをすっかり忘れて、恵は下着の穴を見せつけるように足を持ち上げた。
「流石だな、恵。俺の考えていることをよく分かっている」
今日のセックスで初めて褒められて、恵はそれだけで感じて達した。いつもはもっと甘い言葉で褒めてくれるのに、今日は全く褒めてくれなくて不安だったのだ。嬉しい。よかった。
「挿れる前からイくな」
「ごめ、あっ……!」
正常位で挿入されたペニスがごりごりとイったばかりの恵の体を削るように前後する。その動きに合わせて悲鳴のような嬌声を上げれば、宿儺の動きが早まる。いつもより激しい動きに恵は目の前がチカチカ瞬いていた。信じられない。こんなに肉体の快楽だけを求めた行為で頭がおかしくなるなんて。宿儺とのセックスは性欲だけでなく、一種のコミュニケーションで行われていた。お互いの気持ちに嘘偽りがないことを確かめて、高めて深め合う行為だった。
これはそうじゃない。肉体の欲求だけを満たす行為なのに、宿儺の圧倒的強者のオーラに全てが平伏して逆に快楽になって恵をおかしくさせる。従うことこそ喜びなのだと教え込まれている。
やばい、全部が呑み込まれて、恵が恵でなくなる。それでもいい、この男に全て蹂躙されてしまうことを喜ばないでどうする。涙も唾液も垂れ流しながら、宿儺の名を呼んでアナルに全てを集中させる。気持ちいい。
「受け止めろよ、恵」
ドバァっと注ぎ込まれた熱い精液が恵の限界を超えさせた。ドクドクとまだ注がれている精液にうっとりしながら締めると、宿儺が恵の唇にキスをした。漸くしてくれたキスに夢中になり、舌を絡ませる。宿儺の舌はまるで別の生き物のように恵の口の中に潜り込んで、上顎から歯茎、下顎まで丁寧にねぶる。いつもの宿儺の動きに嬉しくなってねっとりと絡むと、「積極的でいい」とからかわれた。
「お前……中々アレだな……」
叫びすぎて痛い喉を労りながら指摘したら、宿儺が肩をすくめた。
「お前が変なことに興味を持つからだ」
「……うっせぇ」
同じ高校に通っていた宿儺の双子の片割れとはずっと友達として一緒に遊んできたのに、宿儺は恵の学生時代の記憶にほとんどいない。興味を持つこと自体は悪くないだろうに。
「宿儺は昔のこととか気にならないのか」
「お前と会うまでの事など忘れた」
思い出すこともないと宿儺が恵の額に口付ける。宿儺は冗談を言わない質なので、本気で忘れているらしい。嘘だろと顔を見つめるが、本当のようだった。
「お前も忘れろ」
まだ入ったままの宿儺のペニスが恵の腰を揺さぶった。
「俺は常に今のお前を一等愛でるのに忙しい」
その言葉にかあっと赤くなった恵の顔を美味しそうに宿儺が舐めた。

