続・3人でお楽しみ

「ね、オビト、この前の逆パターンやってみない?」
 カカシの提案にオビトは首をひねる。一ヶ月ぶりに二人の待機が重なったのでオビトの家で楽しもうとしているところだった。既にほとんどカカシに服を脱がされ、ありとあらゆる所を弄られて気持ちよさを感じていたのに、カカシの発言で中断されてしまった。
「この前の、逆……?」
「3P、したでしょ?」
 気持ちよすぎて記憶飛んだの? とカカシはアホみたいなことを言っているが、オビトは当然あの倒錯的な行為を覚えている。羞恥心のバロメーターが急激に上がる。
「なっ、ば! は!?」
「男1女2、してみたくない?」
「ない! いや! ぜってーしねー! そんなことのために影分身しろっていうのか!?」
 カカシがどれほどの変態なのかをオビトは見誤っていたようだ。さっと体を逃してカカシから距離を取る。せっかく気持ちよかったのに台無しだ。元凶たるカカシは「まあまあ、そう言わずに」と近寄ってきた。
「男2はやることあるってわかった! でもな、女は2もいらねーだろ! お前は1人なんだから、相手にできるのも1人だけだろ、それは1個しかねーんだから!」
 オビトは混乱と興奮のあまりカカシの股間を指差しながら反論する。
「んー、例えばだよ、」とカカシはオビトの秘部にそっと手を寄せた。触るか触らないかの微妙な所だ。
「ここにいれながら、もう1人のオビトの柔らかくてめちゃくちゃ濡れてるところを舐めたり、手で遊んであげたりするわけ」
 見てみないとわかんないよね、とオビトに影分身をするようカカシが促してきた。その手には乗るか、とオビトは壁に逃げる。背中を向けたら負けだから、カカシを睨みながらじりじりと逃げる。一ヶ月ぶりの逢瀬で何をしているのやら。
「んー、じゃ、ちょっと手荒だけど」とカカシがチャクラを練っている。あ、と気付いた時には幻術を掛けられていた。だから! こんな事に術を乱用するなと! と怒り心頭だったが、カカシが見せたいものを見てしまった途端、何もかもが頭から吹っ飛んだ。
 二人のオビトとカカシが絡み合っている。横たわって正常位でカカシに揺さぶられているオビトと、立ったまま尻をカカシに突き出して舐められているオビト。
 うわ、とオビトが手で顔を覆ったら、次は二人のオビトがカカシの陰茎を舐めているのが見えた。
 こんなことを考えながら生きているカカシは一度脳の検査をしてもらったほうがいい。あまりにも非常識だ。信じられない。どうやったらこんなことが思いつくのか。
 次々と非常識で卑猥なカカシの妄想がオビトの目の前で繰り広げられる。とんでもない男と付き合っているのでは、とオビトは改めて実感して体を震えさせた。
 ただ、段々とヒートアップしていく妄想達を目の当たりにして、オビトはつられて自分の体が熱くなるのを否定しなければならなかった。カカシの手で触られて、舌で舐められて、陰茎を突き刺されて、妄想のオビトたちが気持ち良さそうに泣いている。あんな顔してない! と憤慨する気持ちと、あんなふうにカカシには見えてるのか、という驚きとが混ざって、冷静さがどんどん消えていく。
 カカシに愛されては何度も達して、甘えて、幸せそうにしている妄想のオビト達が羨ましくなってきた。だって、カカシが変なことを言わなければオビトだって今頃あんなふうに気持ちよくなっていたわけで、だけど3人でやるなんて、そんな、とオビトは真面目に悩み始めた。今は見ているだけだから分からないが、本当に気持ちいいのだろうか。カカシが2人に増えたのは体が持たないと思ったが、それでも嫌じゃなかった。でもオビトが2人に増えたら、カカシはどちらのオビトも平等に扱う。それって、いいのかな。耐えられるかな、と考える。
 カカシの妄想による3人のプレイが何度目かのフィニッシュを迎えた頃、幻術を解かれた。
「なーんかめちゃくちゃ長考してるけど大丈夫?」
 自分からオビトに変な妄想を見せつけておいて、心配そうな顔をするのはおかしい。でも、オビトが真剣に悩んでいるのを見て、軽々しく提案したことを恥じているようだった。
「やだ、絶対やだ……」
「どうして?」
「だって、私だけを見てくれないじゃん」
「ん? オビトしか見ないよ?」
 確かにオビトの影分身なのだから、全く別の女というわけではない。カカシの返しはおかしくない。でもそうじゃないのだ。
「ちが……違う、私が2人いたらおんなじようにしてくれるの、わかってるけど、嫌、影分身でもやだ、取られたくない」
 多分、自分の影分身だとしても、カカシが誰かとキスをしたり、舐めたり、触ったりしてるのを見たら、取り返したくなってしまう。絶対に見たくない。気持ちよくなってる場合じゃなくなる。あれはカカシの妄想なのだと第三者の目で見れたから、まだ先程の幻術では暴れなかっただけで、でも実際したら多分影分身だろうと許せなくなる。
 段々わけが分からなくなって、涙が出てきた。カカシのアホのせいで情緒がメチャクチャだ。
「ぜったいやんないからな! やだあ」
 どれだけ変態で頭がおかしくても、オビトはカカシを好きになってしまったので、嫌いになれない。でも、カカシが考えているあの3Pだけは無理だ。まだカカシが3人に増えるほうがいい。それならオビトが誰かに嫉妬することなんてない。
 嗚咽を漏らしながら泣きじゃくるオビトをカカシが抱きしめた。
「ごめんね、そんなふうに考えるとは思ってなかった」
「ばーか! おまえほんとばか! ふつーでいいじゃんかよ……なんでへんなことしたがるんだよぉ……」
「うーん、オビトといろんなことをしたいなって思っちゃってさ……でも、オビトが嫌なことしないから」
 オビトの顔中に唇を当てながら、カカシが背中をさすった。優しい手付きだ。この男に泣かされたのに、この男に慰められてるのは腹が立つ。
「今日はオビトのしてほしいことしかしないから、だから許して」
 上目遣いで、優しい声でカカシが許しを乞う。本当にずるい男だ。下手な女より美しいから、どんな所作も色っぽくて、皆が夢中になる。それを分かっているからか、どこか傲慢なのだ。許してもらえると思っている。オビトも、カカシの顔に弱い。優しく言われると従ってしまう。自分のチョロさにどうにかならないかと怒る時もあるが、目の前でカカシが甘える顔をしていると、全部頭から吹っ飛んで、なすがままになる。嫌な男だ。最低な奴だ。でも好きになってしまった。優しさは本物だからだ。
「よそみなんてすんなよ……私だけ見てて」
「大丈夫、オビトしか見えないよ」
 顎を掴まれて、カカシにキスを施される。いつもは目を瞑るが、今日は絶対に目を離さないと決めた。カカシも目を開いてオビトを見ている。至近距離で、お互いの息を奪い合うように舌を絡ませて、体を寄せ合う。先程まで火照っていたオビトの体は泣いたせいで落ち着いてしまっていた。そんなオビトの体を優しく、しかしいやらしくカカシが撫でる。カカシの2つの手がオビトを包んでいるのを感じて、オビトは更に深く口付ける。段々と触られるところすべてがカカシのことしか考えられなくなってきた頃、カカシが舐めてと陰茎を差し出した。
 カカシの妄想では二人がかりでこれを舐めていた。そんなの許さない。口を大きく開けて、喉の限界までカカシの陰茎を飲み込む。他の誰かに触られたくない。陰嚢も触りながら、オビトは頭を前後に動かしてカカシを追い詰めていく。カカシがオビトの頭を掴んで動かしてきた時は、やったという小さな達成感があった。そのまま口の中に出される。カカシの手に精液を吐き出すと、ティッシュで顔中を拭かれた。
「すごい顔してるよ、オビト」
「え、なに? 汚い?」
「違う、今まで見たことないくらいエロくて激しいなって」
 目が違うと言われた。今まではカカシを享受していれば幸せになれたのだから、オビトが積極的にならなくても良かった。でも、今のオビトはカカシの妄想の中のオビトにすら嫉妬して怒っている。カカシの妄想にすら勝ちたい。
「何もかもお前のせいだ、バカカシ」
 まだすすいでない口でカカシに口付ける。自分の精液の味を返されてカカシは少し嫌そうだったので溜飲が下がった。そのまま、カカシを食いつぶすように口付けで攻め立てる。同時にカカシの陰茎を両手で捏ねて、しごいて、敏感なところを重点的に攻めて、カカシが余計なことを考えられないようにしたかった。
 カカシの陰茎がそそり立つと、オビトはカカシを押し倒してカカシの腰に跨り、自分の中に入れていく。ずぶずぶと飲み込むと、オビトは腰を思い切り動かした。カカシのすべてを奪い去りたいということしか考えられない。きゅうきゅうと腹を締めて、早く出せよと促す。視界に入ったカカシの乳首に、そういえば、とあの腹立たしい妄想を思い出し、オビトはカカシの乳首に吸い付いた。
「オビト?!」
「してほしいんだろ、でも他のやつになんか渡さないから、よそ見なんてさせないから」
 腰を動かしながら、舐めるのは難しかったが、それでも絶対やめるつもりはなかった。
 カカシの乳首を噛むと、カカシが「うっ」と呻いて射精した。それでも歯でやわく刺激を与え続ける。
「えろすぎるって、やばいよ、オビト」
 またオビトの中で復活するカカシをぐっと締め付けた。カカシが切ない顔でオビトを見ている。いつもと逆で、カカシが受け身になっているのを見るとぞわぞわする。愛されるのもいいけれど、攻め立てるのも悪くない。先程の妄想で見たのを真似て、カカシに見せつけるように、足を大きく広げて、腰を浮かせては沈める。当たる場所が変わったのと、カカシが目を見開いて凝視していることで、オビトの腰の動きが激しくなっていく。
「オビト、どこでそんなこと覚えたの?」
「お前のっ、ん、妄想、以外っ、あっ、知らねえよ」
 たまに体の奥深くまで突き刺すと痺れるような気持ちよさがある。その内、カカシの手がオビトの腰を掴んで動かし始めた。自分の意思とは違うものに揺さぶられる感覚は凄まじい。その上気持ちいいのだから堪らない。いつも以上に素直に気持ちいいと泣くとカカシが更にスピードを上げてきた。
 ぐっと押し込まれたと思ったら、射精されていた。これで2回目だ。カカシによって満たされていく腹を撫でさする。体力はかなり消耗しているのに、まだやめる気にならない。カカシの妄想なんかに負けていられないのだ。現実のオビトだけを見ていなければ許さない。
 カカシの腕を引いて上半身を起こさせて、キスをする。まだ繋がったままの秘部がぐしょぐしょに濡れているが、更に汚したいのだ。
「ほら、触れよ」と胸を差し出す。カカシはうっとりした顔でオビトの乳房を揉んでいる。でも足りない。足りないのだ。
「ちがう、もっと強く触れって」
 カカシが強く乳首を潰すように親指で刺激してきた。
「こういう感じ? それとも、もっと?」
「あっ、あ、それ、それでいいんだよ、ばか、」
「ねえ、おっぱい吸ってもいい? オビトのおっぱい、美味しそうだよ」
 オビトが頷くと、カカシは喜々としてオビトの乳首に吸い付く。舌が立ち上がって敏感になっている乳首や乳輪を執拗に舐めている。
 しかし、胸よりも口が寂しい。オビトはカカシの髪の毛を掴んで自分の胸から引き離すと、カカシの反論も聞かずに口の中に舌をいれる。うん、やっぱり口のほうがいい。そのまま、カカシにぴったり抱き着いて、一部の隙も許さないまま腰をグラインドさせる。カカシも抱き潰すかのようにオビトに腕を回して離さない。
 酸欠で死にそうなくらいの長いキスのあと、またカカシがオビトの中に出した。感じたこともないくらい、濡れに濡れていて、達成感がある。
「抜かず3回しちゃったね」
 カカシがオビトを抱きしめながら横たわる。まだ抜いていない陰茎の当たる角度が変わった。何をどうされても今は気持ちがいいとしか思えない。
「いつもされるがままのオビトが命令してくるの、新鮮だったな」
「わたし、怒ってんだからな」
 わかっているのかこの男は、と鼻を摘むとごめんごめんと謝られた。
「大丈夫、もう二度とあんなふうに泣かせないから。ごめんね」
 ちゅっちゅっとカカシがキスをしてくる。不埒な手が乳首をこねていた。どれもこれもが気持ちいい。
「あんなに独占欲強いと思わなくて……嬉しかったよ」
「だって……嫌だろ、他のやつとしてるのなんか」
「え、じゃあ、オレがオレの影分身とキスしてたらどう思うの?」
「頭おかしいのか、お前?」
「知的好奇心と言ってほしいな」
「いや、絶対おかしいから、一回検査してくれば?」
 この男はオビトの嫉妬を煽るためだけに自分の顔とキスするつもりなのか。訳がわからない。
「嫉妬してくれたの初めてじゃないの。いつもあんなにほったらかしなのにさ」
 カカシのちょっと拗ねたような様子に驚く。嫉妬してほしかったのか。
 確かにオビトは普段カカシがどれほど女に声を掛けられていたとしても素直に嫉妬してる態度を見せず、何でもないことのように振る舞ってきた。カカシの告白を受け入れるまで、カカシとオビトはチームメイトであり、親友だった。カカシがモテるのなんて今更だったし、カカシがオビトと付き合っているのを知っているのは一部の同期達だけだ。他の女に絡まれていても、それはどうしようもないことであったし、嫉妬の仕方も分からなくて、もやもやしていただけだった。
「だって、言ってもしょーがねえし、その、分かんなくて」
「わかんないって?」
「なんていうか、どう言えばいいかっていうか、今更だし……あとお前すぐに避けて私のところに来るじゃん」
「オビト以外に絡まれても楽しくないでしょ」
 こういうふうに即答してくれるから、普段はそこまで酷く嫉妬しないのだ。もやもやで終われる。今回は見せつけられたから、嫌だったんだと思う。
「今度から嫉妬したならこっそり教えてよ。小さなことでもいいからさ」
「鬱陶しくねーか、それ」
「そんなことないよ。オビトがオレのこと好きだからこそでしょ、嬉しいよ」
 頭を撫でられると、なんだか恥ずかしくて仕方がない。まだ繋がったままの状態の方を恥ずかしく思うべきなのに。
「ねえ、お風呂入って洗いっこしようか。お互いすごい状態だからさ」
 改めて互いの体を見ると、筆舌しがたい状態だ。オビトが頷くと、漸くカカシがオビトの中から出ていく。栓になっていたものが抜けて、オビトの股から垂れてしまった。
「抜かず3回だとこれくらいかあ」とカカシが感心して、指で拭う。それにすら反応してしまったが、キリがないね、とカカシに抱きあげられて、そのまま風呂に入り、身をきれいにした。
 あまりにも濃い夜で疲れ果ててしまった。体力的にもだが、泣くほど嫌だと思うことが初めてで、精神的にめちゃくちゃ疲れた。
「おやすみ、オビト」
 きれいにした布団で二人並んで寝転ぶ。ずっとこうしていられたらいいのにな、と思いながら、「おやすみ」とカカシの頬にキスをして眠りについた。

->>>おまけ

 カカシは有言実行する男だとは思っていたが、アホなことまでするとは思っていなくて、男って馬鹿じゃないのかと思いながら、本体と影分身に別れた二人のカカシのキスシーンを見る。あまりにもすごい光景だ。しかも、オビトの嫉妬を煽りたいためか、予想外にねっとりしたキスを見せつけてくる。でも、何とも思わない。凄まじい光景だなあとしか思えなかった。
「うーん、オレ同士は意味ないか」
「お前すげえよ。変態を貫きすぎてて尊敬するわ」
 褒められても嬉しくないとカカシは反論したが、パートナーと盛り上がりたいがために自分の顔とあれほど官能的なキスをするバカなんていないはずなので、本当にすごいと思う。
「嫉妬じゃなくても、オレとキスしたいなあと思ったりは……」
「いや、なんか現実味なくて、すげえとしか」
「じゃあ、こういうのはどう?」
 影分身の方が女に変化した。女といっても、カカシによく似た顔立ちで、カカシより少し華奢なだけだ。
「女版オレなら?」
「やっぱり頭の検査しようぜ。ちょっとどころじゃねーくらい頭おかしい」
「そんなこと言わないでよ」
 影分身の方がオビトに近づいて、体を絡ませてくる。身長はオビトより少し高いくらい。胸は控えめだが柔らかい。声まで違う徹底ぶりだ。変態に技術があると完成度が高いんだな、と感心していたが、キスできる距離まで顔を近付けられたので、とっさに顔を反らす。
「あら、あたしとちゅーするのはお嫌?」
 キャラ付けまでしてやがる、とオビトはうんざりした。
「お嫌だよ。なんで女に変化したお前とちゅーすんだよ」
「えー、ちゅーしてみて、よかったらぁ、貝合せとか気持ち良さそうなことしてみたかったのになあ」
 絶対に貝合せが何なのかは尋ねないぞ、とオビトは心に決めた。これ以上変態の要望に付き合ってられない。
 影分身がオビトから離れて、カカシに腕を絡ませた。
「これは?」
「男の方の態度が腹立つから殴っていいか?」
「だめかー」
 男と女のカカシがどちらも残念そうにしたあと、キスできる距離まで顔を近づけ始めた。瞬間、オビトは自覚もないままクナイを影分身に突き刺してしまった。ぼふんと影分身が消えて、クナイを握るオビトと間抜けなポーズをしたカカシだけが残った。
「おお……激しい、激しいよ、オビト」
 カカシは勿論オビトもびっくりだ。影分身だと分かっていたからだと思われるが、それにしたって他の方法でも止められただろうに。いや、これは嫉妬じゃなくて呆れからくるものだ、そうに違いない。わけのわからない実験に付き合うのにうんざりしたからだと思う。そのはず。そうであるべき。
「だめだ、今日はもー帰るわ。わけわかんねー」
 2週間ぶりに会ったというのに奇妙な光景を見すぎて頭がつかれたのだ。カカシが何か喚いていたが、キャパシティーオーバーすぎて、オビトは一人でゆっくりしたかった。
 帰ってから、やっぱりカカシはおかしいと結論したものの、カカシ以外の男を好きになることも無さそうなので、オビトはあの男に常識を叩き込むのが生涯の目標になりそうだなあ、とため息をついた。